女性アイドルの歴史は、1970年代から80年代にかけての「ピンク・レディー」や「おニャン子クラブ」、90年代には「モーニング娘。」が登場し、2000年代に「AKB48」と、大ブーム期と冬の時代を繰り返しながら発展してきました。
これまでの経緯を考えれば「AKB48」の大ブーム以降、再び冬の時代を迎えていても不思議ではありませんでしたが、時代の変化とともに「日本のカルチャー」として根付き、ここ数年は安定的なシーンとして盛り上がり続けています。
そんな中で「地下アイドル」と言う定義が生まれました。
今では国民的認知度を得た「AKB48」も、始動当初はプロデューサーの秋元康氏自ら「地下から始める」と語っていました。
「と言うことは「AKB48」も地下アイドルなの?」と疑問に思いますよね?
実はこの「地下アイドル」と言う定義はとても難しいものです。また人それぞれ解釈が異なり、本当の意味での答えは誰にもわからないものでもあります。
また、昨今では「地下アイドル」と呼ばれることを嫌うアイドルも増えており、新たに「ライブアイドル」と言う呼称も耳にする機会が増えました。
本記事ではアイドルシティ編集部が思う「アイドル」「地下アイドル」「ライブアイドル」の定義について解説していきたいと思います。あくまで我々の思う定義であり、これが正解!と押し付けるつもりもありませんのでご理解いただければと思います。
地下アイドルとは?
地下アイドルという言葉は一般的に「売れてないアイドル」という程度の意味合いで使われます。「売れてない」の基準は話し手の主観に委ねられています。以前、地上波のテレビに出ていないアイドルをすべて「地下アイドル」として捉えている方にお会いしたことがあります。反論したい気持ちもありましたが、結局はその人のアイドル文化の解像度によって地下/地上の境界線は変動するものと解釈するのが妥当であると思います。
例えば、アイドル楽曲大賞では「メジャー部門」と「インディーズ/地方部門」のノミネート基準として、所属レーベルの規模を採用しています。これは一見すると明瞭で合理的に感じられます。しかし、そうするとSweet Alleyといちぜん!がメジャーで、Task have Funとクマリデパートがインディーズというような、アイドルファンの肌感覚とはずれた結果が生じてしまうのです。
アイドルに全く興味がない層からすれば、上記の4組は乃木坂46やももクロと比較して「地下アイドル」という認識になるでしょう。一方で、コアなアイドルファンからすれば実績やキャリアを鑑みてTask have Funを「地下アイドル」と括ってしまうのは大雑把すぎると感じるかもしれません。
結局、地下アイドルの明確な定義はなく、話し手の主観や解像度によるとしか言えなくなってしまうのです。
地下アイドルの語源は?
地下アイドルという言葉が誕生する以前、彼女たちは「プレアイドル」と呼ばれていました。
1980年代のテレビを軸としたアイドルブームが下火になり、1990年代はアイドル冬の時代に突入します。当時はバンドブームの最中でライブハウスはほとんどバンドに占領されており、アイドルはテレビからもライブハウスからも居場所を奪われてしまいます。そんななかプレアイドルを多く受け入れてくれたライブハウス・四ツ谷サンバレイが物理的に地下にあったことから「地下アイドル」という言葉が誕生したという説が有力とされています。
物理的に地上にあるドームやアリーナ、そしてテレビを拠点にしないアイドルという意味合いの言葉として「地下アイドル」は普及していきました。
しかし、近年になってメディアやアイドルのあり方が多様化し、「主戦場は地下のライブハウスだけど、ネットの冠番組をもっている」「同じグループでも人気によってメディア露出量に大きな差がある」など様々なパターンがでてきたため、地下アイドルの定義がより曖昧になってしまったのです。
地下アイドルとアイドル・ライブアイドルの違いは?
ライブアイドルは、テレビや雑誌などのマスメディアにはほとんど登場せず、ライブ活動を主とするアイドルと説明されることが多い言葉です。
意味としては地下アイドルとほぼ同義ですが、本業がライブではないグラビアアイドルや声優アイドル、セクシーアイドルなどと区別する文脈で意図的に使われることがあります。
また、元々「地下アイドル」は蔑称であり、人を無駄に傷付けないための配慮として活字メディアなどが「ライブアイドル」の表現を推奨してきた流れもあります。アイドル本人とファンが謙遜やネタで地下アイドルを自称するのはいいけれど、第三者が彼女たちを地下アイドルと呼ぶのは失礼だという空気は少しずつ強まってきているきているように感じられます。
一方で、アイドルのスキャンダルを報じるニュース記事や、貧乏アイドルに密着したドキュメンタリーなど、そのネガティブな側面に焦点を当てたいときには「地下アイドル」という表現があえて積極的に選択されることがほとんどです。
地下アイドルならではの魅力とは?
地下アイドルならではの魅力は、大きく分けて2つあります。
1つめは距離の近さです。地下アイドルの特典会では1000円のチェキ券で30秒から1分程度会話をすることができます。その他にもビラ配りやライブ配信アプリなどアイドルと気軽に会話のできる機会が増えました。アイドルが自分のファンのツイッターアカウントをリストにして監視しているなんてことも珍しくありません。距離が近いからこそ関係性や思い入れが深まり、応援の熱量が高まります。
2つめはライブの自由度です。地下のライブハウスは多くの場合、スタンディングが基本です。したがって、振りコピやジャンプ、サークルなど盛り上がり方に幅が生まれます。アリーナやドームクラスの大きい会場だとイスが床に固定されているので、立ち上がったとしても可動域がかなり狭くて体を大きく動かすことができません。とはいえグループやライブハウスによってルールが違うので、ルールをしっかり確認して楽しみましょう。
地下アイドルの情報を得るならアイドルシティ
いかがでしたか?地下アイドルを明確に定義する難しさがわかっていただけたかと思います。
でも、「このグループは地下?地上?」なんて会話がオタク同士で楽しかったりするんですよね!
地下にも、地上にもそれぞれちがった良さがあって、推しさがしに迷ってしまいます。
そんなときは、アイドルシティで気になる子を探してみてはいかがでしょうか?